第一印象(3)

「なんか顔が大きい人」はひたすら無表情だった。

 

無表情というか、表情がない表情を浮かべている感じ。ぼーっとしているのとはまた少し違う感じ。乏しい、というのがぴったり来る顔だった。この時点で、あまり仲良くなれるタイプではなさそうだなぁ、というのが素直な感想だった。

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「今日は足元が悪い中、わざわざお越しいただいてありがとうございます」

「いえいえ」

「それで今日はパンフレットをいくつかお渡しさせていただきたいんですけれど……」

「会社紹介パンフレットと、定期発行の『さわやか』を賜れると聞いております」

「はい、これまでに発行したものを持ってきました。PDFでウェブサイトでも公開してるんですけど、ご覧になったりされました? あ、これ面接じゃないので、何も気にせずざっくばらんに答えてくださいね~」

「パンフレットを賜れると聞きましたが、PDFも拝見しました」

「そうですか! わざわざ来てもらっちゃって申し訳ないですね。今日お渡しするものと、基本的には同じものなんですよ」

「いえ、パンフレットでいただく予定になっておりますので」

 

この時点からコミュニケーションが成り立っていない空気と、

チーフの

「こいつ何か変だな|д゚)」

という心の声を察知する私。

 

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「そして履歴書を持って来ました」←唐突に取り出す

「ありがとうございます。今日は良かったのに、わざわざ準備いただいちゃってすみません!」

「それは、持ち帰った方が良いということでしょうか」

「いやいや!大丈夫ですよ。せっかくだし拝見しても良いですか?」

「どうぞ」

 

私はチーフの横で、にこやかな顔で相手を観察することに徹していた。

 

 

 

とりあえずこの人は「普通」とは少し違う( ^ω^)

 

 

 

私も四半世紀以上は生きているので、いろんな人に会ってきたつもりだけど、この人は明らかに未知のネオタイプだった。
だって、これから採用される予定の会社に来たら、せめてニコッってしない?? ありがとうございます、とか会話の随所に挟むものじゃないか?? 面接ではないけどプレ面接的な機会だし、これをチャンスにイメージアップを図ろうという気はないのか??とか、疑問がつきない。

コミュニケーションが苦手な人なのか、それとも何某専務のコネという名のお墨がついているからチーフ及び私をハナから見下しているのか……。前者なら微妙にかみ合っていない、絶妙なキャッチボール上手くいってない具合が非常に不安だし、後者なら後者でそもそもヤバイ人。

そんな私の脳内をよそに、明るくて社交的なチーフは、いつもと変わらない調子で得意のフリートークを繰り広げていた。(チーフはさすがだった)

 

そして、履歴書に目を通しながら何往復目かの会話キャッチボールの最中、遂にチーフの表情が固まる瞬間がやって来た。

 

 

「もしかして、〇〇出身なんですか?」

「ええまあ」

「実は僕の妻もなんですよ。つい先日、帰省してきました。奇遇ですね!」

 

「はあ」

 

 

 

 

はあ?|д゚)

 

 

 

つづく。

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